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メモリとSSD、まだ高くなる? AI需要で変わったPCパーツの買い時

AI需要でメモリとSSDの価格環境が変化。2027年はDRAMとNANDで見通しが分かれる可能性も。公開情報をもとに、今の買い時をMeluvi視点で整理します。

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まず結論:近いうちに必要なら、今の相場を比べて購入を検討。不要な買いだめはしなくて大丈夫です。

メモリとSSDでは先行きが異なりますが、2027年に必ず安くなると決まったわけではありません。必要な時期と容量を決めて、無理のない買い方を考えましょう。

「メモリ、高くない……?」

最近PCを組もうとして、そんなことを思った人も多いかもしれません。

メモリだけではありません。

SSDも以前のように「待っていれば、そのうち安くなる」と簡単には言いにくい状況になっています。

その大きな理由のひとつが、AIサーバーやデータセンター向け需要の急拡大です。

ただし、メモリ(DRAM)とSSDに使われるNANDフラッシュでは、今後の見通しが少し違います。

今回は、2026年9月時点の公開情報から、PCを買う側・組む側としてどう考えればいいのかを見ていきます。


メモリとNAND、1年前とはかなり違う

PC Watchが2026年9月19日に公開した記事では、FMS 2026で市場アナリストのJim Handy氏が示した資料をもとに、2026年7月時点の記憶容量当たり単価が1年前と比べて、

  • DRAM:約7.1倍
  • NANDフラッシュ:約6.9倍

まで上昇したと紹介されています。

ここで注意したいのは、

去年1万円だったメモリが7万円になった

という意味ではないこと。

これは半導体メモリそのものの「容量当たり単価」の比較です。

私たちが実際に購入するメモリやSSDには、基板やコントローラー、製品在庫、流通、販売店の価格設定なども関係するため、そのまま店頭価格が7倍になるわけではありません。

とはいえ、PCパーツの価格にとって無視できない変化なのは確かです。


リノ「……これもAI?」

2026年のメモリ市場を強く動かしているのが、AIインフラへの大規模な投資です。

WSTSによると、2026年上半期の世界半導体市場の売上高は7,020億ドルに達し、前年同期比で102%増加。

なかでもMemory分野の売上高は前年同期比305%増と、非常に大きな伸びを記録しました。

これは 売上高(金額)の伸び です。価格上昇も含むため、出荷数量や需要量が同じ割合で増えたという意味ではありません。

WSTSも、AIインフラ、高性能コンピューティング、高度なメモリ技術への継続的な投資を成長要因として挙げています。

AIサーバーでは大量のメモリが必要になります。

さらにHBM(High Bandwidth Memory)の需要も拡大しているため、メーカーの生産能力は一般的なPC向けメモリだけに使われるわけではありません。

この変化が、私たちが購入するPC向けメモリにも影響しています。


7~9月も、メモリの契約価格には上昇予測

TrendForceは2026年7月3日の公開情報で、第3四半期(7~9月)の一般的なDRAM契約価格について、前四半期比13~18%上昇すると予測していました。

NANDフラッシュの契約価格についても、同じ期間に10~15%の上昇を予測していました。

いずれも7月3日時点の契約価格の予測であり、店頭価格の実績や、10~12月まで含めた予測ではありません。

一方で、PCやスマートフォンなど消費者向け市場では、高くなった部品価格を受け入れられる限界も近づいているとしています。

つまり、

需要が強いから、どこまでも値段が上がる

という単純な話でもありません。

高くなりすぎればPCそのものが売れにくくなり、需要が弱くなる。

現在はそんな綱引きが起きています。


ここからが重要。DRAMとNANDは2027年の見通しが違う

TrendForceが2026年7月30日に公開した2027年の市場見通しでは、DRAMとNANDフラッシュで異なる動きが予想されています。

DRAMは2027年も供給が厳しい可能性

DRAMでは、

  • AIサーバー需要の拡大
  • HBM向けの生産能力確保
  • 新工場が実際に量産へ貢献するまで時間がかかる
  • サーバー1台当たりのメモリ搭載量増加

などから、2027年も需要に対して供給が追いつきにくい状況が続くとTrendForceは見ています。

新しい生産能力も計画されていますが、本格的な供給増加には時間が必要です。

そのため、

今は高いけど、半年待てば以前の価格に戻るだろう

という前提で考えるのは少し危険かもしれません。

NANDフラッシュは少し状況が違う

SSDに使われるNANDフラッシュも、2026年現在は供給が厳しい状態です。

ただしTrendForceは、2027年には新しい生産能力の立ち上がりや製造技術の移行によって供給量が増え、2027年後半には需給が緩む可能性を示しています。

ここはDRAMとの大きな違いです。

もちろん、

2027年になればSSDが必ず安くなる

という意味ではありません。

NANDそのものの需給だけでSSDの販売価格が決まるわけではなく、為替や製品在庫、コントローラーなど、ほかの要因もあります。

それでも、DRAMほど「長期間の供給不足」が明確に予想されているわけではありません。


企業向けSSDの需要は、直近でも強い

さらに直近の2026年9月21日。

TrendForceは、北米のクラウドサービス事業者による企業向けSSD(Enterprise SSD)の需要が強まっており、2026年第4四半期についても企業向けSSD価格の上昇傾向が続くとの見方を公表しました。

この見通しの対象は 企業向けSSD です。一般向けSSDの店頭価格が同じように上がると直接予測したものではありません。

AI向けストレージ需要はまだかなり強そうです。NANDの生産配分にも関わるため、Meluviでは一般向けSSDを買う際にも気にしておきたい背景と考えています。

ここまでの情報を合わせると、SSDの価格環境には、

短期:まだ価格上昇要因がある

中長期:NAND供給が増えて需給が緩む可能性がある

という両面があります。ただし、個々の一般向け製品の値動きは、実際の販売価格で確認する必要があります。


じゃあ、今PCパーツを買うならどうする?

ここからはMeluviとして、実際に買う側から考えてみます。

メモリ

近いうちに必要なら、

「もっと安くなるまで何カ月も待つ」より、相場より安くなったタイミングを狙う

考え方が良さそうです。

特に、

  • 32GB → 64GBへ増設予定
  • 新しいPCを近いうちに組む
  • 欲しいメモリの型番が決まっている

といった場合、セールやポイント還元で相場より安くなった時はチェックしておきたいところ。

ただし、

これから値上がりするから、とりあえず不要なメモリまで買う

必要はありません。

SSD

SSDは少し判断が違います。

今すぐ容量が必要ならもちろん購入候補ですが、急いでいないならセールを待つ余地もありそうです。

特にNANDは2027年後半に供給環境が改善する可能性もあるため、

高騰しているから今のうちに何台も確保しておこう

と焦る必要まではなさそうです。

BTOパソコンも「価格だけ」見ない

メモリやSSDの価格上昇は、完成品PCやBTOにも影響します。

ただし注意したいのは、本体価格だけではありません。

例えば、

  • 以前は32GBだったモデルが16GBに
  • SSD 1TBだったモデルが512GBに
  • 同じ価格でも構成が変更される

といった形で実質的な価格調整が行われる可能性もあります。

BTOを比較するときは、

「前より何円高いか」だけでなく、メモリ容量やSSD容量まで確認する

のがおすすめです。


「待てば安くなる」が通用しにくくなってきた

PCパーツは長い目で見ると、

「新製品が出る」

「旧製品が安くなる」

「同じ予算でより高性能なものが買える」

という流れが基本でした。

でもAIインフラという巨大な需要が加わったことで、少なくともメモリ市場では以前と少し違う動きが起きています。

特にDRAMは、2027年も供給の厳しさが続く可能性があります。

一方でNANDフラッシュは、2027年後半に供給環境が改善する可能性も出ています。

だからこそ、

全部値上がりするから今すぐ買おう

でも、

待てばそのうち安くなる

でもなく、

必要なものが、その時の相場の中で本当に安いか。

そこを見ることが、以前より大切になってきそうです。


Meluviでも、メモリやSSDの価格について引き続き追いかけていきます。


参考資料

  • TrendForce
    「AI Server Demand Continues to Support Memory Prices in 3Q26, but Gains Moderate as Consumer Demand Weakens and High Base Effects Take Hold, Says TrendForce」
    2026年7月3日
    公式情報・元記事を読む

  • TrendForce
    「Diverging Memory Market Outlook in 2027 as DRAM Supply Remains Tight While NAND Flash Supply Conditions Ease, Says TrendForce」
    2026年7月30日
    公式情報・元記事を読む

  • TrendForce
    「Stronger North American Demand to Keep Enterprise SSD Prices on an Upward Trend in 4Q26, Says TrendForce」
    2026年9月21日
    公式情報・元記事を読む

  • World Semiconductor Trade Statistics(WSTS)
    「Global Semiconductor Market records exceptional growth in Q2 2026」
    公式情報・元記事を読む

  • PC Watch
    「DRAMとNANDの暴騰で、想定外の急激な膨張を続ける2026年の半導体市場」
    2026年9月19日
    公式情報・元記事を読む

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